「粉を引いたように白い」 とのことから、その名のついた粉引。 画像は、台湾茶の茶藝師であり、 元同僚そして今は友人であるyaguiの忍ちゃんが 十数年間愛用している鈴木環さんのピジョン。
先日、そのあまりの美しさに、 心を動かされました。 粉引の始まりは、15世紀頃の朝鮮。 然し乍ら、李朝粉引は実は短い期間しか 作られなかったのだそうです。 清廉潔白を重んじる儒教の国では、 粉引の白の「儚さ」は然程好まれる事なく、 磁器や白い釉薬をかけた器の白さが、 より多くの人々に求められたのでしょう。
一方、日本では、 室町末期に、この技法が伝来して以降、 粉引の器は今日まで、広く愛されています。 使い込む程に、変化するその 「完璧ではない白」に惹かれ、 器に滲むその影を「景色」として愛でる。 それは確かに、私達日本人の生活や心情に沿う 器のひとつのかたちなのだと心から思いました。 手元で育む器との生活、始めてみませんか?
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