待降節のシーズン。
毎日一つづつ開けてゆく24個の小さな扉の付いたアドベントカレンダーには、
それぞれ、外国製のチョコレートや、小さなオーナメント。
赤と白ストライプのステッキ型のキャンディー。
サンタさんへクリスマスプレゼントのリクエストカードなどが入っていて
と順番で中身を確認するのが一年の中でも 最も私たちが最も楽しみにしている行事だった。
その日、15数字の扉を開けると、母の少し角ばった字で 「キッチンの扉を開けて!」というメッセージが。
姉妹で先を争うように階下のキッチンの棚の扉を開けると、 そこにはパウンドケーキらしき物がある。
「これはパンデピスと言うケーキなのよ、フランスでは12月のクリスマス前によく食べるお菓子なの。」
と言う説明を聞きながら、母に切り分けてもらったそれは、 とても素朴な見た目だったけれど、 キッチンに漂う甘い香りにワクワクしながら、フォークでそっと口に運んだ。
母が、婦人雑誌のレシピを見て作ったと思われるそれは、今思えば、海外の味に忠実な、本格派の味だった、たっぷりの蜂蜜、クローブ、アニス、シナモン….。 とても甘くて、スパイスが効いていて。
目を白黒させている子供達を前に、母が見せた、少しがっかりした表情を今も忘れない。
今では毎年この季節に楽しみに頂いている、パンデピス。
子供の頃には衝撃的な味でしたが、 大人になって美味しくいただける様になりました。
美味しいパンデピスを提供してくださるお店も多くなりましたね。 (ちなみに画像は@food_commonさんのパンデピス!きっと美味しい!)
CHAYUANのパンデピスのフレーバーは、私にとっては、 飲むと子供の頃のクリスマスへのワクワク感と ちょっぴり切ない気持ちがタイムマシーンの様に蘇る、味の記憶装置です。
日本ではスパイス系のお茶が得意ではないという方も多いですが、 こちらはスパイス感が絶妙で、嫌味なく、寒い日は体が内側から温まります。
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